おかわかめの苗の育て方と管理方法
おかわかめ(学名:Anredera cordifolia)は、ツルムラサキ科の多年草で、別名「雲南百薬(うんなんひゃくやく)」とも呼ばれます。栄養価が高く、葉や茎、むかご(葉の付け根にできる小さな球状の部分)まで食用とされ、家庭菜園やグリーンカーテンとして人気があります。この記事では、おかわかめの苗の選び方、植え付け、育て方、管理方法について詳しく解説します。
おかわかめの特徴
おかわかめは、ハート形の緑色の葉を持ち、茎はつる性で旺盛に伸びます。葉の裏側が紫色を帯びることがあり、観賞用としても魅力的です。夏から秋にかけて小さな白い花を咲かせますが、花が咲くと葉の生育が止まるため、食用として栽培する場合は早めに花芽を摘み取ることが推奨されます。
苗の選び方
おかわかめの苗を選ぶ際には、以下のポイントに注意しましょう。
- 健康な葉と茎:葉が濃い緑色で、病害虫の被害がないものを選びます。茎がしっかりとしており、折れや傷がないことも確認してください。
- 根の状態:ポットから軽く引き抜いて、根が白く健康的でしっかりと張っていることを確認します。根詰まりしている場合は、植え替えが必要です。
- 適切なサイズ:大きめの苗は初年度から収穫が期待でき、管理が容易です。小さな苗は乾燥や多湿に弱いため、避けたほうが無難です。
植え付け時期と場所
植え付けの適期は、春の5月上旬から中旬です。おかわかめは日当たりが良く、風通しの良い場所を好みますが、半日陰でも育成可能です。つる性植物のため、フェンスやパーゴラ、オベリスクなど、つるを誘引するための資材が必要です。
土壌の準備
おかわかめは水はけが良く、有機物を含んだ軽い土壌を好みます。市販の野菜用培養土を使用するか、赤玉土小粒7、腐葉土3の割合で混ぜた土を用いると良いでしょう。植え付け前に、以下の手順で土壌を準備します。
- 植え付け場所の土を深さ30cmほど掘り起こします。
- 腐葉土や堆肥を混ぜ込み、土壌の栄養分と排水性を高めます。
- 必要に応じて、石灰を加えて土壌のpHを調整します。
植え付け方法
土壌の準備が整ったら、以下の手順で苗を植え付けます。
- 苗の根鉢より一回り大きな穴を掘ります。
- 穴の底に少量の緩効性肥料を入れ、軽く土と混ぜます。
- 苗を穴に置き、根鉢の上部が地表と同じ高さになるように調整します。
- 土を戻し、軽く押さえて苗を固定します。
- 植え付け後、たっぷりと水を与えます。
複数の苗を植える場合は、20cmほどの間隔を空けて植え付けると、つるが絡まず管理しやすくなります。
水やりと肥料
おかわかめは乾燥に強い反面、過湿には弱いため、土壌の表面が乾いたら適度に水を与えます。特に鉢植えの場合は、水はけの良い土壌を使用し、過湿を避けることが重要です。肥料は、植え付け時に緩効性肥料を施し、その後は葉の色が薄くなったら追肥を行います。5月から9月の間、月に1回程度、化成肥料や有機肥料を与えると良いでしょう。
摘心と誘引
植え付け後、つるの長さが30cmほどに伸びたら、茎の先端を切り取る「摘心」を行います。この作業を繰り返すことで、下からわき芽が出て、つるの本数が増え、葉の収穫量も増加します。つるが伸びてきたら、フェンスやネットに適宜誘引し、整枝します。
収穫と利用方法
葉の収穫時期は6月から10月までで、葉が7~8cmに成長したら食べ頃です。収穫した葉は、生のままサラダやおひたし、炒め物、スープなど多様な料理に利用できます。花が咲くと生育が止まり、葉の付け根にむかごができます。10月に入って葉が枯